「材料取り」「板取り」「切り出し」の違い
製造現場では似た意味で使われることが多いですが、どこに重点を置くかでニュアンスが少し変わります。
| 用語 | 主に指す内容 | 実務での使われ方 |
|---|---|---|
| 材料取り | どれだけの母材が必要かを計算すること | 見積、原価管理、発注量の判断で使われる |
| 板取り | 母材上に部品をどう並べるかを決めること | 歩留まり改善、切断計画、加工指示で使われる |
| 切り出し | 実際に部品を切断して取り出す工程全体 | 加工方法、段取り、刃幅、工数まで含めて語られる |
実務では、材料取り計算の精度が低いと、見積時の母材量がぶれ、実際の板取りでも端材が増えやすくなります。言い換えると、材料取り計算は原価管理の入口であり、板取り最適化はその中核です。
材料取り計算の基本式
長方形・正方形部品の材料取りでは、まず面積ベースの計算から始めます。ブロック材ではそこに厚み方向を加え、母材全体と加工領域という2つの体積歩留まりまで把握します。
| 指標 | 基本式 | 意味 |
|---|---|---|
| 必要面積 | Σ(幅 × 高さ × 数量) | 部品そのものに必要な総面積 |
| 面積歩留まり率 | 必要面積 ÷ 使用母材面積 × 100 | 平面上でどれだけ無駄なく使えたか |
| 端材率 | 100 - 歩留まり率 | 使われずに残った割合 |
| 母材全体体積歩留まり | Σ(配置部品の幅 × 高さ × 実厚) ÷(母材幅 × 母材高さ × 母材厚 × 使用母材本数)× 100 | 購入した母材全体に対する使用率(主指標) |
| 加工領域体積歩留まり | Σ(配置部品の幅 × 高さ × 実厚) ÷ Σ(母材幅 × 母材高さ × 各母材の使用積層厚)× 100 | 実際に使用した積層厚までの詰まり具合(補助指標) |
例えば、面積歩留まり90%の単層を30mmだけ使用し、層間カッターロスや端ロスがない単純例では、厚み100mmの母材に対する母材全体体積歩留まりは 90% × 30/100 = 27%、加工領域体積歩留まりは 90%です。実際の多層配置では使用積層厚に層間カッターロス等が加わるため、加工領域体積歩留まりは配置結果から計算します。母材全体の分母から余白・クリアランス・刃幅・端ロス・未使用残厚は差し引きません。2指標は同じ配置部品体積を分子にし、分母だけが異なります。
手計算・Excel・専用ソフトで計算精度はどう変わるか
手計算
部品数が少なく厚みも1種類なら、手計算でも大まかな必要面積は出せます。ただし、どの部品をどの母材に組み合わせるかの検討が人の勘に依存しやすく、見積精度にばらつきが出ます。
Excel
部品リストの集計や、厚み別・寸法別の分類まではExcelで対応できます。しかし、厚みの種類が3つ以上、部品数が50種類以上になると組み合わせが急増し、材料取り計算の前提自体が担当者ごとに変わり始めます。
専用ソフト
専用ソフトは、面積だけでなく配置制約、刃幅、クリアランス、厚み方向の積層まで含めて自動計算します。配置案そのものは探索により変わる場合がありますが、同じ評価基準で必要母材本数や歩留まりを再計算・比較できます。
→ ネスティングソフトとは?長方形・正方形部品の切り出しを自動化する仕組み
厚み方向まで計算が必要なケース
材料取り計算で厚み方向が重要になるのは、単なる平面配置では原価が合わないケースです。
20mm・30mm・50mmの部品が混在する場合、どの厚み同士を同じ母材にまとめるかで、必要ブロック数が大きく変わります。
平面上の配置だけで見積もると、現場で厚み方向の余りが発生し、見積上の母材量と実使用量が合わなくなります。
母材本数が減れば、セットアップ、搬送、切断の工数も下がります。材料取り計算は材料費だけでなく段取りの見積にも関わります。
計算結果が見積精度・原価管理にどう効くか
材料取り計算の精度が上がると、必要母材量の見積が安定し、受注前の採算判断がしやすくなります。特に材料単価の高い樹脂・石材・金属では、歩留まり数%の差がそのまま利益に跳ね返ります。
例えば、月間50万円の対象材料購入額が5%減った場合は、年間30万円の材料費削減に相当します(50万円×5%×12ヶ月)。これは歩留まり率の5pt改善を材料費5%減とみなす計算ではありません。実際の使用母材本数・購入額の前後差で確認してください。
LayerNestで材料取り計算を自動化する
LayerNestは、長方形・正方形部品の材料取りと板取りを、厚み方向まで含めて自動計算する2.5Dネスティングソフトです。単なる面積集計ではなく、どの部品をどの母材にまとめるかまで含めて計算できます。
必要面積だけでなく、どの厚みの部品をどの母材にまとめるかまで含めて複数の配置候補を探索します。
必須列は品番・幅・高さ・厚みで、数量列がなければ1行を1個として扱います。CSVはデータ行とヘッダーの列数を一致させてください。カンマ区切りCSVの列境界を一意に確定できない行は、GUIで計算前に現在の読み取り値と代替候補を表示し、自動補正しません。
DXFは配置図のCAD連携、PDFは配置確認・見積参考、CSVは部品ごとの配置明細と2つの歩留まりを含むサマリーに利用できます。加工指示として使う場合は、実加工条件を現場で確認してください。
月間50万円の対象材料購入額が5%減る場合、STANDARD買い切り価格(税抜)を約1年で回収する単純試算です。PROや加工費・運用工数を含む回収期間ではありません。実データと実際の購入額でご判断ください。
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※ 本ソフトは長方形・正方形(矩形)部品専用です。多角形・異形形状には対応していません。部品の向きを固定する設定や、切り出し後の端材を在庫として登録・再利用する管理には対応していません。
よくある質問
材料取り計算とは何ですか?
材料取り計算とは、必要な部品を切り出すためにどれだけの母材が必要か、歩留まり率と端材率がどの程度になるかを算出することです。長方形・正方形部品では面積計算が基本ですが、厚み違いのブロック材では体積ベースの計算まで必要になります。
歩留まり率と端材率はどう違いますか?
歩留まり率は使用した母材のうち製品として使われた割合、端材率は逆に使われず残った割合です。基本的には、端材率は100%から歩留まり率を引いた値で表せます。
材料取り計算はExcelでも十分ですか?
部品数が少なく厚みも1種類であればExcelでも管理できます。ただし、厚みの種類が3つ以上、部品数が50種類以上になると組み合わせが急増し、見積精度や再現性を維持することが難しくなります。
材料取り計算ソフトは端材管理まで自動化できますか?
製品によって範囲は異なります。LayerNestは新規母材からの材料取り計算と歩留まり改善に特化しており、切り出し後の端材を在庫として登録・再利用する管理機能は持っていません。